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二項分布と超幾何分布

二項分布

  • 抽出方法: 復元抽出
  • 試行の独立性: 各試行は独立
  • 確率: 各試行で成功確率は一定

超幾何分布

  • 抽出方法: 非復元抽出
  • 試行の独立性: 各試行は独立していない
  • 確率: 各試行で成功確率が変化

グラフの比較

今回の実験では、二項分布と超幾何分布の違いを視覚的に比較します。二項分布は、復元抽出を行う場合に適用され、各試行が独立しており、成功確率が一定です。一方、超幾何分布は、非復元抽出を行う場合に適用され、試行ごとに成功確率が変化します。実験では、母集団のサイズ、成功対象の数、抽出回数を変え、それぞれのグラフを描画します。特に、サンプルサイズが大きい場合や母集団が小さい場合など、分布の形状に顕著な違いが現れる条件に注目して比較を行います。これにより、抽出方法による分布の違いを視覚的に確認し、二項分布と超幾何分布の特性を理解します。

復元抽出と非復元抽出の比較(広範囲のパラメータ設定)

import numpy as np
import matplotlib.pyplot as plt
from scipy.stats import binom, hypergeom

# グラフを描画する関数
def plot_comparison(M, N_A, n, ax):
    # 非復元抽出(超幾何分布)
    rv_hypergeom = hypergeom(M, N_A, n)
    x_values = np.arange(0, n+1)
    pmf_hypergeom = rv_hypergeom.pmf(x_values)

    # 復元抽出(二項分布)
    p = N_A / M  # 豆Aを引く確率
    rv_binom = binom(n, p)
    pmf_binom = rv_binom.pmf(x_values)

    # グラフ描画
    ax.plot(x_values, pmf_hypergeom, 'bo-', label='非復元抽出 (超幾何分布)', markersize=5)
    ax.plot(x_values, pmf_binom, 'ro-', label='復元抽出 (二項分布)', markersize=5)
    condition_text = f'M = {M}, N_A = {N_A}, n = {n}'
    ax.text(0.05, 0.95, condition_text, transform=ax.transAxes,
            fontsize=12, verticalalignment='top')
    ax.set_xlabel('豆Aの数')
    ax.set_ylabel('確率')
    ax.grid(True)
    ax.legend()

# パラメータ比を一定に保ったグラフを作成
M_values = [50, 150, 250, 350, 450]
N_A_values = [15, 45, 75, 105, 135]  # M の 30%
n_values = [7, 22, 37, 52, 67]       # M の 15%

# サブプロットを作成(縦に並べる)
fig, axs = plt.subplots(5, 1, figsize=(10, 30))

# 異なるパラメータ設定でグラフを描画
for i in range(5):
    plot_comparison(M=M_values[i], N_A=N_A_values[i], n=n_values[i], ax=axs[i])

# レイアウトの自動調整
plt.tight_layout()

# 余白の手動調整
plt.subplots_adjust(right=0.95)

plt.show()

復元抽出と非復元抽出の比較(顕著な違いが現れる条件)

import numpy as np
import matplotlib.pyplot as plt
from scipy.stats import binom, hypergeom

# グラフを描画する関数
def plot_comparison(M, N_A, n, ax):
    # 非復元抽出(超幾何分布)
    rv_hypergeom = hypergeom(M, N_A, n)
    x_values = np.arange(0, n+1)
    pmf_hypergeom = rv_hypergeom.pmf(x_values)

    # 復元抽出(二項分布)
    p = N_A / M  # 豆Aを引く確率
    rv_binom = binom(n, p)
    pmf_binom = rv_binom.pmf(x_values)

    # グラフ描画
    ax.plot(x_values, pmf_hypergeom, 'bo-', label='非復元抽出 (超幾何分布)', markersize=5)
    ax.plot(x_values, pmf_binom, 'ro-', label='復元抽出 (二項分布)', markersize=5)
    condition_text = f'M = {M}, N_A = {N_A}, n = {n}'
    ax.text(0.05, 0.95, condition_text, transform=ax.transAxes,
            fontsize=12, verticalalignment='top')
    ax.set_xlabel('豆Aの数')
    ax.set_ylabel('確率')
    ax.grid(True)
    ax.legend()

# サブプロットを作成(縦に並べる)
fig, axs = plt.subplots(3, 1, figsize=(10, 18))  # 高さを調整

# 条件1: サンプルサイズが大きい場合
plot_comparison(M=100, N_A=30, n=80, ax=axs[0])

# 条件2: 全体のサイズが小さい場合
plot_comparison(M=20, N_A=6, n=15, ax=axs[1])

# 条件3: 極端な割合の場合
plot_comparison(M=100, N_A=90, n=30, ax=axs[2])

# レイアウトの自動調整
plt.tight_layout()

# 余白の手動調整
plt.subplots_adjust(right=0.95)

plt.show()

考察

二項分布と超幾何分布の違いが顕著になるのは、サンプルサイズが全体に対して大きい場合や、母集団が小さい場合です。例えば、全体の豆の数が100個で80個を抽出する場合や、母集団が20個でそのうち15個を抽出する場合、非復元抽出では次の試行に与える影響が大きくなり、復元抽出との差が明確に現れます。また、成功確率が極端に高いか低い場合も、非復元抽出の影響で分布が変わりやすくなります。一方、サンプルサイズが小さい場合や母集団が非常に大きい場合には、各抽出の影響が少なく、二項分布と超幾何分布の違いは目立たなくなります。

豆の非復元抽出

豆の非復元抽出は超幾何分布になる

 

豆の実験の概要

この実験は、100個の豆が入った袋の中から無作為に15個の豆を取り出し、その中に含まれる特定の種類の豆(豆A)の数を調べるシミュレーションを通じて、超幾何分布がどのように現実の状況を表現するかを確認するものです。

実験の設定:

  • 袋の中の豆の総数: 100個
  • 豆Aの数: 30個
  • 豆Bの数: 70個
  • 取り出す豆の数: 15個

実験の手順:

  1. 袋に入っている100個の豆のうち、30個が豆Aであり、残り70個が豆Bであるとします。
  2. 袋から無作為に15個の豆を非復元で抽出し、その中に含まれる豆Aの数を数えます。
  3. この抽出操作を10000回繰り返し、各回で得られた豆Aの数を記録します。
  4. 記録されたデータを基に、豆Aの数の分布をヒストグラムとして描画し、理論的に計算された超幾何分布と比較します。

実験の目的:

  • この実験の目的は、理論的な超幾何分布が、豆を無作為に非復元抽出した際の豆Aの数の分布をどの程度正確に表現できるかを確認することです。
  • 結果として得られるシミュレーションの分布が、理論的な超幾何分布とよく一致することが期待されます。これにより、超幾何分布が現実の非復元抽出を扱う際に有効であることが示されます。

結果の分析:

  • シミュレーションの結果と理論的な超幾何分布を比較することで、両者の一致度を確認します。
  • この実験は、非復元抽出のシナリオで生じる確率分布が、理論的な超幾何分布に従うことを実証的に示すものです。

シミュレーションによる計算

import numpy as np
import matplotlib.pyplot as plt
from scipy.stats import hypergeom

# パラメータの設定
M = 100        # 全体の豆の数
N_A = 30       # 豆Aの数
n = 15         # 抽出する豆の数
x_values = np.arange(0, n+1)  # 可能な豆Aの数

# 理論的な超幾何分布のPMFを計算
rv = hypergeom(M, N_A, n)
pmf_theoretical = rv.pmf(x_values)

# 数値シミュレーションの設定
n_simulations = 10000  # シミュレーション回数
simulated_counts = []

# シミュレーションの実行
for _ in range(n_simulations):
    # 袋の中の豆を表すリスト(1が豆A、0が豆B)
    bag = np.array([1]*N_A + [0]*(M - N_A))
    # 無作為に15個抽出
    sample = np.random.choice(bag, size=n, replace=False)
    # 抽出した中の豆Aの数をカウント
    count_A = np.sum(sample)
    simulated_counts.append(count_A)

# シミュレーションから得られたPMFを計算
pmf_simulated, bins = np.histogram(simulated_counts, bins=np.arange(-0.5, n+1.5, 1), density=True)

# グラフの描画
plt.figure(figsize=(10, 6))

# 理論的なPMFの描画
plt.plot(x_values, pmf_theoretical, 'bo-', label='理論的PMF', markersize=8)

# シミュレーション結果をヒストグラムとして描画
plt.hist(simulated_counts, bins=np.arange(-0.5, n+1.5, 1), density=True, alpha=0.5, color='red', label='シミュレーション結果')

# グラフの設定
plt.xlabel('豆Aの数')
plt.ylabel('確率')
plt.title('超幾何分布のPMF: 理論とシミュレーションの比較')
plt.legend()
plt.grid(True)
plt.show()